至仏山(2228m)

群馬 2000.8.5


鳩待峠(7:08)→オヤマ沢田代→笠ヶ岳→オヤマ沢田代→至仏山(12:02〜22)→山ノ鼻→鳩待峠(16:16)
 3年ぶりの尾瀬。鳩待峠には、予定よりかなり早く到着した。車中のラジオの天気予報では、大気の状態が非常に不安定で、激しい雷雨が予想されるとのことである。いやな予感がする。 
 出発した時は、青空が広がっていたが、怪しげな雲も多かった。40分ほども登ると、花がきれいな湿原にでた。登山者は思ったほど多くはなかった。オヤマ沢田代ではワタスゲが見事である。さっきまで見えていた笠ヶ岳がガスに隠れている。振り返ると、小至仏山も。だんだん天候が悪化しているようだ。歩きにくい道に飽きてきたころ、笠ヶ岳直下にでて、驚いた。山腹がニッコウキスゲで埋っている。意外な展開に気分を良くし、山頂に至るが、とたんにガスで何も見えなくなる。 
 思ったより長いオヤマ沢田代への道を戻ると、遠くで雷鳴が聞こえた。ガスは出ていないが、展望はない。「今から登るの?」。すれちがった小学生くらいの子供の言葉が怖い。至仏の登りでついに雨が降りだした。止むことのない雨はちょうど山頂で雷雨にかわった。雨具すら持っていない中学生くらいの集団はとても寒そうだ。持参のビールを開けるが、ふた口くらい飲んだところで、捨ててしまう。 
 少し雨が弱くなったので山の鼻に向けて下るが、5分もしないうちに大雨・雷になり、止むをえず岩陰にかくれる。雨が猛烈に強くなる。寒い。すぐ目の前に大音響とともに雷が落ちた。頭に何か当たると思ったら、ひょうだった。相変わらず前や横の岩に落雷。自分がいる岩にも落ちるのではないか。寒さと恐怖で震えが止まらない。最後にすごく近くに落ちた後、少し静かになった。今がチャンスと判断し動く。幸い近くで雷は鳴らなかった。しかし、登山道は沢になっていて、山の鼻までほとんど流れの中を歩いたような気がする。 
 苦労して着いた山の鼻では、キンコウカがきれいだった。尾瀬ヶ原を散策する余裕など全くなく、鳩待峠に戻ることにする。無事下りられたせいか足取りが軽く、鳩待峠には予定より大幅に早く到着する。 
 帰りの道中でもすごい雷で、上州の夏は大変だなとつくづく感じた。 
大雨で滝のようになった登山道
 
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