夜中に寒さで何度も目が覚める。
3時過ぎに起きる。
朝の気温は、外は6℃、車内11℃だった。
登山名簿を見ると、どうやら一番乗りのよう。
笹は、途中まで刈り払いされていた。
まだ薄暗いので、見通しの悪い場所ではホイッスルを吹く。
山頂まで5.5キロの道標の地点で、残雪が出てくる(標高約1400m)。
やがて平坦なところに出ると、小天狗や前天狗が大きく見える。
来て良かったと感じた。
小天狗手前の大岩は、上を乗り越えて進む。
天狗のコル手前からは、前天狗が更に大きく美しく見える。
少し先からは数百メートルの残雪歩き。凍っていてすべりやすい。
眩しいので、サングラス使用。
展望の無い樹木のトンネルのような道を過ぎると、突然展望が開けて、トムラウシから大雪山が正面に見える。
このあたりがほぼ森林限界で、樹木はほとんどなくなる。
岩場を登っていると、二人に立て続けに抜かれた。
尾根道を行こうかと思っていたが、巻き道に導かれる。
途中の右側の谷で、テントが見えた。
凄いところでキャンプをするものだと驚く。
イワウメがずっと咲いていた。
前天狗で、初めてニペソツと対面できる。
それにしても、本当に素晴らしい眺めだ。
さっき抜いていった年配の男性に写真を撮ってもらう(写ルンです)。
しばらくすると、みなみらんぼうに似た男性も登ってきた。
前天狗から一端大きく下って登り返すと天狗平。
その先の天狗岳は巻くが、正面のニペソツ山に向けて、足取りは軽い。
ここからニペソツとのコルまではだいぶ下る。
油断していたが、一箇所、滑りやすい岩場があった。
コル付近からの山頂も見事だが、ここからの登りは、さすがにキツかった。
さっき抜いていったトレラン風の若い男性が下ってきて、「最高ですよ!」と言っていた。
途中では、チングルマやエゾノツガザクラなどを少し見ることができた。
山頂には、前天狗の年配氏だけいて、また写ルンですのシャッターを押してもらう。
その後、らんぼう似の方も登ってきた。
3人だけの静かな山頂。
雲が全く無い素晴らしい青空。
360度の大展望で、阿寒、日高、十勝連山、トムラウシ、大雪など一望。
阿寒の左には、うっすら斜里岳も確認できた。
名残惜しいが、3人の中で一番先に下山を開始する。
ようやく多くの人が登ってきたようで、ひっきりなしにすれ違った(それも前天狗くらいまでだが)
天狗岳や前天狗への登り返しは、思ったほど辛くはなかった。
前天狗手前で、らんぼう氏に追いつかれる。
前天狗では、昨日幌加温泉で会った方が声をかけてくれた。
数名のパーティーとのことだった。
最高な眺めですから、お楽しみにと言って、別れた。
今度は巻き道ではなく、尾根通しに行く。
しかし道がはっきりせず、不安になる。
ケルンの付近で、幌加温泉へのコースを分けるはずだが、分からなかった。
ニペソツは見納めになるので、振り返ってしっかり眺めた。
この先は、道が背の低い藪に覆われたりして分からなくなる。
少し離れた下の方に、巻き道を歩いているらんぼう氏を見かけたので、無理やりそっちへ下った。
そこでらんぼう氏を再び追い抜く。
小天狗が低く見える。
下りは早く、あっという間に残雪のところに出る。
気温が上がり、雪はぐちゃぐちゃになっていた。
ここで年配氏に抜かれ、この順番で最後まで下った。
小天狗下の大岩は、今度は下段を横切る。こっちのほうが緊張した。
樹林帯の下りは長く感じたが、それでも下ってしまえばあっという間だった。
本当に素晴らしい山と天気で、久しぶりに充実の登山だった。
水分は2.5リットル持参で、2リットルちょうど飲んだ。
もう少し持っても良かったかもしれない。
ひがし大雪自然館で、2013年限定の「登頂証明書」を発行してもらった。
風呂は「糠平温泉ホテル」。
然別湖、十勝清水経由で帯広へ向かい、駅前に宿泊。
翌日は自転車で市内を観光してから、午後の飛行機で帰った。
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