南アルプス(荒川・赤石岳 2004年夏)

2004.7.31〜8.2

第2日目(8/1)
コース
千枚小屋(4:58)→千枚岳(5:37〜44)→丸山(6:27〜29)→悪沢岳(6:58〜7:19)→中岳(8:14〜25)→前岳分岐(8:28〜43・前岳往復)→荒川小屋(9:35〜45)→大聖寺平(10:14〜22)→小赤石岳(11:18〜28)→赤石岳(11:56〜12:37)→富士見平(14:13〜22)→赤石小屋(14:45)
天気
霧のち晴 
気温
距離
12.6km


薄暗いガスの中を出発
2日目は荒川三山、赤石岳と一気に縦走するスケジュール。
長いので薄暗い5時前に出発する。天気は相変わらず霧。
出発後すぐに、夕食で一緒になった親子(母親と息子)に抜かれる。
しばらく登っていき、千枚岳にだいぶ近づいた頃、ようやく森林限界となる。
樹林がなくなると、風が急に強くなり寒い。
 
千枚岳(2880m)
千枚岳の山頂はガスと強風で寒く、長くは居られなかった。
だが、なんとなくガスが薄くなってきたような気がした。
 
突然晴れる!
寒いので先を急ぐ。
明るくなってきたのは気のせいかと思ったが、下り始めて間もなく、いきなりガスが風で切れ始める。
周りの山が見え始めるまで、たいして時間はかからなかった。
本当にあっという間に晴れて青空が出てきてしまった!なんと気持ちのいいことか。
 
 
千枚岳の花畑
千枚岳の下りは急なガレ場だが、タカネビランジやタカネナデシコ、マツムシソウをはじめとした高山植物が美しく、今回、一番花が綺麗だった場所だった。
 
花に見とれていると、すっかり夏の青空に変わっている。前方に悪沢岳、左に雲がかかっているが赤石岳、振り返ると富士山も雲海上に見えている。こんなにも天気が一気に変わるのかと、改めて驚く。

この先は快適な縦走となる。風が強いのでちょっと歩きにくいが、順調に進む。
周りの山を見ていると、南アルプスの真ん中にいることが実感できる。
丸い形をした丸山を過ぎ、悪沢岳の手前で雷鳥を見つける。
花も美しく、一歩一歩が楽しい。
 

悪沢岳(3141m)
出発からちょうど2時間で悪沢岳に到着する。文句なしの展望で、甲斐駒から間ノ岳、塩見…、これから登る中岳、赤石岳が大きく見える。
我々の他に誰もいない。静かな山頂からの大展望は、いつまで眺めていても飽きない。
ここで朝食にする。ウマイいなり寿司だ。
悪沢岳山頂から、これから向かう赤石岳を望む
 
次は中岳を目指す。既に山頂手前の避難小屋が見えているが、一旦下りがあるので時間はかかりそうだ。
悪沢岳山頂から急なガレ場や岩場を一気に下っていく。
下りきると、今度はダラダラ登り。稜線歩きで気持ちがいいとはいえ、結構疲れる。
ウサギギクが所々に咲く道を登っていくと、避難小屋にようやく着く。しっかりした造りだが、あまり広くはなさそう。
 
中岳(3083m)・前岳(3068m)
すぐ近くの中岳で大休止の後、荒川三山の3つ目、前岳へ。
とはいっても中岳からは近く、縦走路から少し離れたところにあるので、荷物を置いて往復する。
前岳への分岐で
 
ここからは荒川小屋まで大きく下る。
山の本などでおなじみのカールの花畑だが、花はもう終わりに近づいているようで、それほどでもなかった。
しかしミヤマキンバイやハクサンフウロ、ウスユキソウ、タンポポなどの花が色とりどりに咲いていた。
近くでは静岡大の植生調査が行われているとの標識があった。
ガレ場を下りきるあたりに水場があり、冷たい水が美味しい。

400m以上も下り、荒川小屋の脇で休憩する。
どういうわけか小さな虫が多くて、落ち着いて休めなかった。
今度は赤石まで500mの登りが待っているので、頑張らなくてはならない。
小屋から、わずかな樹林帯を抜けると、斜面のトラバースとなる。
赤石方面は時々ガスがかかるが、快適に歩ける。
 

大聖寺平
振り返ってみると、前岳、中岳が荒々しい。よくあんなところを下ってきたものだと思った。
前方には赤石岳が立ちはだかり、ため息がでる。
 
きつい登りだが、上に行くにつれ、ますます周りの山が見えることもあって、思ってたほど苦にはならなかった。
再び3000mの稜線に出ると、ものすごい眺め。
朝歩いてきた悪沢や中岳が一層大きく、遠くには中央アルプスや手前の伊那谷も見えてきた。何度も写真を撮りながら進む。
 
ライチョウ
小赤石岳(3080m)を過ぎたあたりで、また目の前の岩場にライチョウ君が現れる。今度は近くで写真を撮ることができた。、
 
赤石岳(3120m)
憧れだった山頂は夏の日曜にもかかわらず、なんと貸切!しかも夏空が広がっているというのに・・・。登る前にはまったく想像できないことであった。
最高所の一等三角点からは、南アルプスの山々がいくつも重なって見えた。
快晴とはいかなかったが、文句なしの天気。ゆっくり景色を堪能した。
大展望・・・塩見、間ノ、農鳥岳。左右に中岳、悪沢岳
 
快適な稜線歩きも、赤石岳で今回はおしまい。
小屋への分岐まで戻ると、途中で例の親子にまた会った。今日は山頂小屋に泊まるとのこと。
分岐から赤石小屋方面へ、カールの中のジグザグの道をぐんぐん下っていく。
下りきったあたりに水場があり、このあたりも花畑となっていて綺麗だった。

富士見平へは、アップダウンのある長い道。途中に桟道があったりもする。
疲れのせいで長く感じたのかもしれないが、だいぶ汗をかいた。
富士見平まで来ると、小屋が間近に見える。
 

赤石小屋に到着
樹林帯を一気に下ると、ようやく赤石小屋に着いた。
休憩込みで約10時間近い行程で、体中が疲れていた。喉が渇いていたので、缶ビールを買って、一気に飲む。
 
目の前には聖岳が大きく見える。
その隣のピラミッド型の山が分からないので、小屋のおじさんに聞くと、兎岳だそうだ。
食事の時間までは、結構下ったところにある水場まで水汲みに行ったり、山を眺めたりして過ごす。
結局この日、千枚岳の下りからはずっと晴天で夕立も全くなく、自分にとっては珍しく良い天気だった。

この日の食事も、前日に続きなかなかのもの。食事の後、食堂を借りて持参の酒を飲む。
窓越しに赤石や聖を眺めながらで最高だった。
宿泊客は意外にも、全部で20人くらい。ゆったりと眠ることができた。
 


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山行記録2004年