北アルプス(剱岳周辺 2006年8月)

2006.8.3〜5

第2日目(8/4)
コース
剣沢キャンプ場(3:50)→剣山荘(4:20)→一服剱(4:40〜45)→前剱(5:20〜25)→剱岳(6:35〜7:00)→前剱(8:05〜10)→一服剱(8:50〜55)→剣山荘(9:15)→剣沢キャンプ場(9:45〜10:47)→別山乗越(11:37〜48)→新室堂乗越(12:39)→雷鳥沢キャンプ場(13:06)
天気
快晴 
気温
距離
9.1km


真っ暗な中、剱岳へと出発する
3時ちょうどに起床。すぐに準備をしてからトイレに行き、サブザックを持って3時50分にテント場を出発する。
途中には雪渓があり、道が分かりにくいが、前の人の明かりを頼りに進む。
剣山荘のあたりは迂回路になっていて、更にわかりにくい。
東側の空が明るくなるのを見ながら、一服剣へと登る。素晴らしい朝焼けだ。
まだ薄暗いということもあり、一箇所だけ分かりにくい岩場があった。

前剱への登り
一服剣からの前剣は立ちふさがる巨大な岩の塊といった感じで、迫力がある。
前剣へはザレ混じりのガレ場をぐんぐんと登っていく。振り返ると剣沢が朝日で輝いている。
振り返れば別山が朝日に染まっている
鎖場を過ぎて更に急な岩場を登っていくと前剣の山頂(2813m)。
この辺から、同じ歳くらいの男性単独行の方と、道を確かめながら進む。
ここまで来ると、剱本体の山頂が一段と近づくが、まだしばらく歩きそう。
 
鎖場が続く
前剱から間もなくで最初の鎖場。岩場をトラバースするが見た目ほど大したことはなかった。
この先の平蔵のコル手前の急な鎖場の下りも、角度は急ではあるが、それほどではなかった(ただし遠くから見ると、かなり急な岩場に見える)。
前剱の少し先にある鎖場
蟹のタテバイ
平蔵のコルの先で、いよいよ蟹のタテバイとなる。
我々二人以外に、まだ誰も登っていないようで、ゆっくり慎重に登れるのは幸いだったが、タテバイの最後の垂直に近い登りは、鎖に頼らざるを得なく、ちょっと焦った。
タテバイを登り切ったところで

タテバイから先もほとんどすべて岩場だが、あとは難しい箇所は無かった。
だが山頂までは思っていたよりも距離があった。
登る途中で一人とすれ違ったが、誰もいない剱岳へ登頂する。
 
剱岳(2999m)
快晴で最高の展望で、実に気持ちいい。
北アルプスのほとんど全部に白山、浅間山に横手山、その左奥にはなんと日光連山も確認できた。
久々の大展望をじっくり満喫して下山する。

蟹のヨコバイ
最初の一歩の足場が見えないという事前の情報だったが、実際には見えている。しかし足を下ろそうとしても届かないので、左足を一段下の微妙な窪みに置いて、左腕で鎖を握り、右腕で岩をしっかり掴んで、右足を足場に置いた。
後の移動は問題なかったが、高度感がすごい。下は見れなかった。
蟹のヨコバイ付近から、平蔵の頭の岩場を眺める

緊張の下り
最梯子の手前にも隙間があって少し恐かった。鎖場を下っていくと、古いトイレがある。荒廃しているとの情報だったが、まだまだ使えそうな感じだった。
平蔵の頭への登り返しでは、間違えて登りコースを下ってくる人が何人もいたので、しばらく待つ。反対側の蟹のタテバイに登る人の列が、アリのように見えた。

タテバイを登る人々(平蔵の頭への登りから)
再び前剱
上下に分かれて歩きやすい道を頑張るが、前剱までは思ったより時間がかかる。
一休みして振り返ると、真っ青な空に岩の塊の剱岳がとても大きく美しい。
剱には登らずにここで引き返すという夫婦が、剱の山頂を眺めながら休んでいた。

花畑が広がる
前剱からは滑りやすい急なガレ場を慎重に下る。このあたりも事故が多いらしい。登りの時は暗くて気づかなかったが、一服剱とのコルのあたりからは花畑が広がっている。チングルマやミヤマキンポウゲ?が多いが、トウヤクリンドウも3株だけ見つけた。
剣山荘は工事がスタートしていて、クレーンも入っている。このあたりも花畑がすごい。

工事中の剣山荘と花畑
まぶしい雪渓をいくつか渡って登っていくと、ようやくテント場へと戻った。サブザックでの軽装にもかかわらず、山頂往復で水を1リットル以上も消費した。
とりあえずラーメンを作って食べ、飲料水用に水を煮沸して水筒に詰め、テントを片付ける。目の前の剣沢小屋では、ヘリが荷下ろしをしていた。

剱岳とお別れ
相変わらずの快晴で、この場を離れるのがもったいないが、出発することにする。それにしても暑い。
途中で休んで剱岳を眺めていると、剱の登りで一緒だった彼が来た。「あのてっぺんに登ってきたんですね!」という言葉に、鳥肌がたつ思いだった。

剱沢キャンプ場を後にする

別山乗越の手前は、一面のハクサンイチゲ。残念ながらうまく写真は撮れなかった。
乗越で室堂に下るという彼と別れ、新室堂乗越へと下る(通ったことのないコースを行くため)。

花いっぱいの縦走路
新室堂乗越への道もまた、花が綺麗なのであるが、暑さでだいぶ疲れが出てきた。
今までこんなに天気が良かったことが無かったので、夏の炎天下の縦走がここまで暑いとは知らなかった。

新室堂乗越へ(奥の山は大日三山)
新室堂乗越手前の雪渓あたりで一瞬だけガスが出るが、ガスはここだけだった。
乗越から少し下ると急な雪渓が残っていて、とてもまぶしい。
750mlの水筒が空になる頃、雷鳥沢のテント場に到着した。


またも絶景の雷鳥沢キャンプ場
雷鳥沢ヒュッテで温泉に入ろうかと思ったが、翌日の山歩きを止めたくなる恐れがあったので、ビールだけ買い、雪渓の雪で冷やしてテント場で飲んだ。
夕方までのんびり過ごし、カレーを作って食べ、7時過ぎには寝る。



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山行記録2006年